【家の断熱性能】これから新築を建てる施主が、めざすべきUA値とは

建てる前のこと

こんにちは、家を建てるネコと申します!

この記事では、家の断熱性能を表すUA値についてご紹介しています。

\この記事はこんな方におすすめです!/

・ UA値という言葉は聞いたことがあるけど、実際にいくつ必要なのか気になる方
・ UA値は何を目安に決めたらよいのかわからない方

\この記事を読んでわかること/

☆ これから新築を建てるなら、達成したいUA値

○ 国土交通省が提示しているUA値の基準
☆ 施主が、自分に合ったUA値を決める方法
○ 我が家の断熱設備とUA値、かかった費用(ご参考までに)

4年前に何も分からずに家作りを始めた私たち夫婦が、

文献や住宅会社の方とのお話を通して学んできたことを元にお話いたします。

リアルな施主目線ですので、まだ家作りを考え始めたばかりの方にも見て頂ける内容になっていると思います!

本記事は、私が家作りでとてもお世話になった本、
松尾和也さん著の「ホントは安いエコハウス」を参考に書いています。

住宅メーカーなどでも読まれている本なので、信憑性は高いと思います!

我が家が考える、これから家を建てるなら達成したいUA値

我が家が考える、これから新築を建てるなら達成したいUA値ですが、

結論から申し上げますと、

建てた家に30年以上住む予定であれば、UA値 = 0.46 W/m2K 以下です。

この数値は国内のどの地域にお住まい予定かによって変わります。

0.46 W/m2K 以下というのは、国土交通省の建築物省エネ法において定める6地域 ※1の場合です。

地域区分1〜5であればもう少し低く、区分7・8であれば少し高い数値が適正となります。

※1 建築物省エネ法では、各地域における断熱性能の基準値を設定しています。
簡単に言うと、「北海道のような寒い地域は断熱性能が高い方がいいけど、沖縄のように温暖な地域であればそこまで断熱性能が高くなくても大丈夫」というものです(かなり大雑把ですが)。
リンクは国土交通省が出している区分表ですので、ご自身の区域をご確認ください。

その理由を簡潔に説明すると、

① 建築する際に断熱性能にお金をかけると、初期コストが高くなります。

② しかし、断熱性能の高い家の方が夏のエアコン代や冬の暖房代などが大幅に節約出来ます。

よって、20年、30年と長く住む家の場合、断熱性能の高い家のほうがお財布に優しい家になります。

それらを考慮した結果、30年以上住む予定であれば、UA値 = 0.46 W/m2K 以下を目指すのが、コストメリット的に有利、ということになります!

それでは次章から、それぞれの方に合った「目指すUA値の決め方」を、順を追ってご紹介します!

まずは、国の基準について(国土交通省基準、ZEH基準、HEAT20)

※ この章は、「細かい決まりごとの説明はいらないよ!」という方は飛ばしていただいて大丈夫です!

UA値を考える上で目安になる基準は、主に3種類あります。

① 国土交通省が2013年に改正した「改正・次世代省エネルギー基準」

② 経済産業省、国土交通省、環境省が取り組むZEH事業(通称ゼッチ、Zero Energie Houseの略)で設定されているZEH基準

③ HEAT20(2020年を見据えた住宅の高断熱化技術開発委員会)が推奨する基準

  G1、G2があり、G2の方が厳しい数値となります。

それぞれの地域区分における、各基準が設定するUA値をまとめたものを以下に示します。

図1 各地域区分における、各基準のUA値(引用:ホントは安いエコハウス p.153)

数字が並んでいて分かり辛いかもしれませんが大丈夫です!

次に、目指すUA値の具体的な決め方をご説明します。

目指すUA値を決める方法

目指すUA値は、ずばり建てた家に何年住むかによって決まります。

その理由は、以下の2段階の考え方によるものです。

1つ目に、家の断熱性能を向上させるには、

断熱材や窓の性能を上げることになるので、初期建築コストが上がります。

2つ目に、断熱性能の高い家と低い家では、断熱性能の高い家のほうが冷暖房コストが大幅に安くなります。

つまり、長く住む家の場合は、断熱性能にお金を掛けても、長期的に見ればそのコストを充分に回収できるということです!

それでは、実際のコストと居住期間のお話をいたします。

3つの基準(改正省エネ基準、HEAT20のG1、G2)における、トータルコスト(初期建築費+冷暖房費等の維持費)と建築後の経年数との関係を図2に示します。

図2 初期建築費と維持費を合わせたトータルコストと、省エネ性能との関係を表したイメージ図(引用:ホントは安いエコハウス p.155)

この図から、

建てて10年未満しか住まないのであれば改正・省エネ基準で充分であることが分かります。

 ※ 初期コストが低く、また年数が少ないので維持費も少ない

住む年数が10〜30年であれば、G1基準が適していることが分かります。

住む年数が30年以上であれば、G2基準が適していることも分かります。

 ※ 初期コストは高いですが、その分維持費(冷暖房費等)が低いので長く住むほど得になる

このように、住む年数によって、どの基準(省エネ法、G1、G2)を目指すのがコスト的に適しているのかが分かります。

目指す基準がわかれば、先述した図1と、お住いの地域区分から、必要なUA値が分かります!

例えば、地域区分6の我が家が、G2基準を目指す場合は以下のようになります。

この手順で、目指すUA値を決めることが出来ます!

目指すUA値が決まれば、ハウスメーカーや工務店が公表している既設住宅のUA値と比較して、

「この会社の建てる家は、私たちが欲しい断熱性能を満たしていそうだな」

「この会社は断熱性能が高いうえにデザイナーズハウスだから、こんなに値段が高いんだな」

といった判断基準になると思います!

すでに会社が決まっている方は、建築会社にUA値を伝えて、

「このくらいのUA値を目指したいのですが、どうしたらいいですか?」

といった風に聞けば、きちんと断熱のことを考えられている会社さんであれば色々な提案を出してくれると思います!

例:断熱材を吹き付けにグレードアップしましょう、窓のサッシを樹脂にしましょう、など

我が家のUA値と断熱設備

最後に、我が家のUA値と断熱に関わる設備をご紹介します。

これくらいの設備を入れると、これくらいのUA値になる、といった参考になれば嬉しいです!

  • 窓:YKK・APW430(樹脂サッシ、トリプルガラス)× 建物全体で12ヵ所
  • 断熱材:旭化成・ネオマフォーム
  • 断熱材工法:外張り断熱
  • その他:1階勝手口なし、2階ベランダなし
  • UA値:0.37 W/m2K
  • 総床面積:約30坪
  • 建築費用:約2000万円

我が家の場合は、建物の形をシンプルにしたり、延床面積を削減したりなどでコストダウンをし、その分を断熱性能に充てました!

まとめ

以上が、それぞれのお家による「目指すUA値の決め方」です!

また、我が家の例を参考に、価格と性能のイメージを持っていただければ幸いです。

断熱性能は、私達夫婦の家作りでもかなり考え、力を入れた部分です。

同じような境遇の皆様の家作りが、より良いものになれば嬉しいです!

最後までご覧いただきありがとうございました!

家を建てるネコ